年の差カップルの純愛ダークファンタジー小説、終末のヴァルキュリア 第一章プロローグ 第一話 現実世界

2018年4月18日

第一話 現実世界

僕、池田祐月(ゆづき)は無為に人生を送った。
小学生の頃ゲームとアニメにはまって家の中でごろごろしていた。
中学生の頃僕は初恋をした。日向(ひゅうが)直子という女の子で中学生にしては大人びた雰囲気があり、初めて僕は女性というものを意識したのであった。彼女はクラス委員長で真面目で可愛らしく、クラスの男子に人気があった。

当然、想いを告げることなくそのまま片思いで終わった。こんな片思いが僕の青春のただ一つの1ページだった。

高校生の頃、勉強などせずスマートフォンでゲームをし、もしくはネットで遊んでいた。
大学に行けるはずもなく卒業後、就職活動にはげむが、もちろん不採用。地方に住んでいた僕みたいな男にはまともなバイト先もなく生活費を稼ぐため、近くの都会でアルバイトの日々。

都会の雰囲気になじめず、気の合う同僚もいなく、仲間はずれの僕は、いやな仕事ばかり押しつけられていた。そして、同僚たちに仕事ができないと陰口をたたかれ、上司からパワーハラスメントを受けて、そのバイトは半年で辞めた。

次のバイトでも同じことが起きた。同僚からハブにされ、上司からのパワハラ、客からのクレーム、すぐにバイトをやめて、アルバイトを転々とする。

そんな僕でも一つの趣味があった。ネットで銃器の魅力にはまった。引き金を引くと鳴り響く轟音。機能美にあふれたフォルム。

そんなネットの動画を見ながら、どこか外国へ移民したいと夢見ていた。そうやってダラダラ過ごしているともう30歳。

アルバイトも見つけにくくなり、コンビニのバイト、清掃員、工場のきついバイト。僕にはそんな仕事先しかなかった。もちろん貯金はなく、健康保険料もはらえず、病院など行ったことなどない。

実家に帰ってどうにかならないかと親と相談するけれどもウチは貧乏だ、両親から一人で生きて行けと突き放された。

実家に帰っているとき、あるハガキをもらった。宛先を見ると知らない名字だった。裏面を見るとこう書かれていた。

――わたくし、日向(ひゆうが)直子は結婚をし、皆川直子になります――

胸がきつくしめられた。彼女の幸せそうな写真を見ると、僕は何をやっていたんだろうかと、涙が出てきた。僕も幸せが欲しい、僕もこの人生をもっと充実したい。ある決心をする。お金を貯めて外国に行こう。そして第二の人生を歩もう。

僕は都会に戻りきつい工場のバイトに勤めた。理由は給料がいいからだ。朝7時に出勤、夜7時終業。雑務を終わらせて帰宅する頃には10時ぐらいになっていた。近所のスーパーは開いておらず、コンビニでカップラーメンを買って食費を節約する。

そうやって無理のある生活を数年続けると35歳。身体にガタが出てくる。
ときどき心臓が痛くなる。健康保険料は滞納している。病院に行くには貯金を切り崩して医療費を払うしかない。ほっといてもなんとかなる。

そう若い頃の精神のままでいたのが致命傷だった。スクーターで通勤途中、心臓が苦しくなる。ヘルメットの中で僕は呼吸困難になり、運転がままならない。

最後に見たものは赤信号と大型トラックが横切ろうとする姿。目の前が真っ暗になると、轟音が頭の中に響いてくる。

どうなったのか僕はわからない。
ただ予感した――

――僕は死んだのだと――

――――

意識がもどってくる。身体が動かない。僕は呼吸が止まり、時間が止まったかと思った。
目の前に見たことのない美しい少女がいたからだ。

長い銀髪の髪が柔らかく彼女の頭部を包み、まつげは長く目は碧い。すごく端整な顔立ちをしており、この世で見たことのない美貌を持っていた。顔から視線を下ろすと彼女は西洋風鎧をきていて、その下にながい白いスカートがなびいていた。

魂が抜ける感覚がする。そうか僕は死んだんだ。そうじゃないとこんな幻想的な光景に出会えるはずがない。

そうか死んだのか……

突然胸の奥から感情がこみ上げてくる。
――虚しい人生だった!
――何もない人生だった!!
――こんな終わり方があるかよ!!!

涙をこぼそうにも何も出ない。僕は死んでいる。頼むからもう少し時間をくれ! もっと人生を堪能したい!

もっと……生きたい……銀髪の少女が微笑む。彼女の手が僕の手に触れる。
そして僕にこう言葉を投げかけてくる。

「……そうか、生きたいか。なら生かしてやる。私と契約しろ。そして人を殺せ。人を殺してまで生きていたいというならこのラグナロクに加えてやる――」

彼女から残酷な言葉が投げかけられる。

人を殺す? ラグナロク? いったいどういうことだ……。

続き→http://mangasatoimo.jp/2018/04/12/syuvary02/

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