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終末のヴァルキュリア第四十三話 戦闘の傷跡。

第四十二話 戦闘の傷跡。

「さてと、久しぶりにいっしょにベッドに寝られるな! 私嬉しいぞ」
 メリッサは布団を広げアンダードレスで寝っ転がった。その姿はなんだか子どもみたいでとても愛らしい。

「どうしたんだ? 早く来いよ」

 メリッサは急かすが、久しぶりに一緒に寝るので僕は緊張していた。

「ほら~、早く~」

 僕は彼女に引っ張られベッドへと誘われる。僕も隣に寝っ転がると真っ正面にメリッサの美しい顔がきた。

 フサリと音のするような長いまつげ、見ていると吸い込まれそうな碧い瞳、鼻は高いがほりはあさくふんわりと丸まった鼻。ピンク色で潤いつやつやとした唇。そして柔らかく透き通った銀色の髪。近くで見ると胸が張り詰めそうになる。

「まず最初にすることは何だ?」

 メリッサはいたずらっ子のように尋ねた。

「キス」

 そう僕が言うと僕はメリッサの肩に手を回し彼女の柔らかな唇を奪う。

「ん……ん……んん……」

 口の中で舌と舌が絡み合い濃密に彼女の唾液をあじわう。大人のようで子どものような甘い口づけ。そして僕は情熱的に彼女口の中に侵入し、メリッサの中を楽しむ。

「んん……! ん……! んんん……!!」

 僕は情熱に身を焦がすキスでこんなに気持ちいい気分になれるのかと幸福感を感じる。息が切れ唇と唇を放す。はあ……、はあ…。お互いに肩で呼吸した。

「よくできました」

 そういってメリッサは僕の頬に口づけした。とても温かい。そしてそのまま僕の耳元に
唇を持って行く。そしてささやく。

「胸……もんでいいぞ」

僕の心臓が飛び上がる。トクントクンと僕の心臓が鳴り響く。

「いいのかい?」
「うん」

 彼女は頬に手を当て腕で胸を挟みこちらにつきだす。谷間がくっきりと見え。
その重圧感に圧倒されそうだった。大きい……。僕は恐る恐る彼女の胸に手を当てようとする。その瞬間彼女がピクリとも動かず体を硬くする。メリッサはこう言うこと初めてなんだ僕はそっと彼女の乳房に手を置く。ドクドク伝わる彼女の心臓の振動。その瞬間僕はハッと手を引く。

「メリッサ、やめよう」

 僕がそう言うとちょっと困った様子で。

「何故?」

 少し怒り混じりの彼女の声。それに対して僕は、

「まだ、早いよ」
「私は子どもじゃない。心得ている」
「そうじゃないんだ。僕は君を欲望のオモチャにしたくない。もっとゆっくりいこうお互いが自然に」

 そう僕が言うと、メリッサはすねたようすで、

「あーあ、拒否された」
「ごめん」
「でも、お前のそういうとこ好きだぞ。私のこと考えてくれているんだな」
「うん」
「ふふ、ありがとう」

 そう言われてふっと僕は気が抜けた。ぷつりと何かが切れた。何故かわからない。意識を失ったようだ。ゆ……づき……、ゆ……づ……。

 何が起こったのかはわからない。まぶたが重い。気がつくと朝だった。体がだるい。
 ただ頭の中が何かおかしいと感じていた。何かが壊れている。何もやる気がしない。ただ何か幸せだった。僕の頬が緩む、ただ笑っていた。

「佑月(ゆづき)……大丈夫か?」

 メリッサが心配そうに僕の顔をのぞく。ただ僕は幸せそうに笑っていた。

「佑月(ゆづき)……」

 彼女は僕の様子を見て何も言わず食事を食べさせてくれた。彼女は甲斐甲斐しく世話をしてくれる。たぶん僕は壊れてしまったんだ。戦いに続く戦い。死のストレスを何度も味合わされた。僕は普通の人間なんだ、戦士じゃない。心が砕けてしまったのか? 僕は頭がおかしくなってしまった。

 脳が麻痺している。ただ幸せそうに笑っていた。メリッサは心配そうに僕の世話をしてくれた。
 食事もトイレも湯浴みも彼女は僕の面倒をみた。まるで介護だ。でも嬉しかった。

 メリッサがいれば何もいらない。メリッサがいれば何もいらない。僕は幸せだった。そういう時間が一週間続いた。時間がたつと少しずつやる気がおき思考もまとまってくる。

「佑月(ゆづき)! ランチだぞ、はいあ~ん」

 僕は彼女が差し出したスプーンにしゃぶりつく。

「佑月(ゆづき)ちょっと元気が出てきたな! よかったなあ!」

 僕はうなずく。彼女は笑顔で言う

「ちょっと外に出てみようか! いい日よりだし私がついて行ってあげるからな」

 僕はうなずいた。外の日差しを浴びる。最初は頭がクラクラしていたが慣れると自然に足が進むようになった。

「佑月(ゆづき)! 歩けるじゃないか、よかったな!」

 彼女は僕に肩を貸し一緒に歩み始める。一歩、二歩、三歩。ゆっくりとともに歩を進めた。彼女にしては珍しい、メリッサは僕を気遣うあまり男にぶつかった。

「あっ……」

 彼女は呟く。

「このガキなにしやがるんだ!」

 男がメリッサを突き飛ばす。彼女が反抗するより前に僕は勝手に前に出ていた。

「メリッサになにをする! メリッサを傷つける奴は僕が許さない!」

 僕は手を広げ彼女をかばっていた。

「佑月(ゆづき)……」

 メリッサはつぶやく。男は何も言わず僕を殴った。

「よくも佑月(ゆづき)を……!」

 メリッサは男を投げ飛ばした。面白いように大男がひっくり返った。そして僕の手を引っ張り走る。

 少し人が少ない噴水で僕たちは座った。

 メリッサは少し怒りながら、

「本調子じゃないのに無理するな! バカ」

 ごめん、メリッサ……。迷惑かけっぱなしだ。僕がしょんぼりしているとメリッサは笑顔になって、

「でもさっきの佑月(ゆづき)かっこよかっぞ。惚れ直した」

 そして僕の頬にキスをする。ここは恋人たちの街フリューナグ。僕とメリッサは甘い時間を過ごしていた。

  続く
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