純愛異世界ファンタジー小説 終末のヴァルキュリア 第百三話 仲睦まじく

2021年6月19日

 また僕たちは、穏やかな日々に戻った、キャラディスの毒を飲まされた街の人々は後遺症で苦しんでいるらしいが、ナオコはそんなことなくすっかり元気だ、やっぱりエインヘリャルなんだな、僕はその様子に安心した。

「ママ―、この本なんて書いてあるの?」
「ああ、この本はこういう意味で、って、お前ロハ民族の本に興味があるのか?」

「なんかこの絵変だし面白そう」

 何とエインヘリャルには難解だとメリッサは告げていたロハ民族の絵付き書物を読もうとしているのか、僕なんか本の文字を見ただけで鳥肌が立って、直ぐに放り投げたぞ。まあ、子どもというのは好奇心旺盛だからな、僕みたいになかば情熱が枯れてしまった男とは大違いといったところか。

「この単語はこういう意味で、……お前文字かいてみるか? この時代では少し紙は値が張るが、用意するぞ」
「うん、やってみる!」

 メリッサは教育ママだな、ナオコをちゃんと立派な大人になるようにいろんなことを教えている。確かに僕も教育されたもんな、メリッサに、いや、あれは調教か。

「とりあえず今日はこの本を私が読み上げてみよう、少しずつまねして単語を覚えていこうな」
「うん! そうする」

 まあ仲睦まじいことでいいことだ、すっかりメリッサは母親らしい風格の持ち主だ。僕みたいに情けないおっさんとは大違いだな。それらを横目で見ながらなんだか楽しくて、嬉しかった。

 夜、夕食をたっぷり楽しんだ後、ナオコを寝かしつけて、メリッサと一緒のベッドに入った。もちろんぎくしゃくしている。メリッサは僕が興奮しなかったことについて、そんなことはなかったと言い張っているが、やっぱり彼女は気にしていることが見え見えだった。

 メリッサはできた女性とはいえ、やっぱり女の子なんだ、自分に性的魅力がないのかと、心底がっかりしているのだと思う。僕は繊細な心に傷をつけてしまった。その償いといってはおかしいだろうが、しっかり彼氏として、婚約者として、未来の夫としての責任がある。ということで、今夜はこちらから誘ってみることにした。

「メリッサ、起きているかい?」
「ん、なんだ?」

「いつもありがとう、君のおかげで何とかここまでこれたし、僕もかなり強くなれたと思う、つねに、僕を支えてくれて、しかも、今じゃ立派なナオコの母親役も務めてくれる。君には感謝してもしきれない」

「な、なんだ……藪から棒に……」

 メリッサは明らかに照れていた、口に拳を当て、目を潤ませていている。今までいろんなことがあった。説教されたり、励まされたり、ときにはいっしょに食事をしながら、自分たちの未来を語り合ったり、手料理を作ってくれて、僕が戦いで傷ついた心を癒してくれた。それもこれも全部メリッサのおかげだ。

 僕たちはかなり苦労してここまで生き延びてきた。さっき口にした言葉は本心だ。彼女には感謝してもしきれない。メリッサも今までのことを振り返りながら、思わずぐっと来てしまったのだろう、少し押し黙ってしまった。

「君は本当に素敵な女性だ、もちろん僕にはもったいない、でも僕は君を愛している。本来なら僕が君を愛する資格なんてないかもしれない、でも、君のことが好きなんだ、僕の傲慢な心を許してくれ」

「そんなことはないぞ、お前はすごく成長した。最初は頼りない、普通のダメなおっさんだったが、今では立派な戦士だし、私もお前が今まで試練を乗り越えてきたことを尊敬している。お前が私にふさわしくないなんてとんでもない、今では、私のほうが存分にお前に惚れている」

「ありがとうそう言ってくれると嬉しいよ、これからも君を守るため僕は戦うよ……!」
「佑月……!」

「好きだ……!」

 そうして僕はメリッサの唇を奪った。もちろんメリッサはそれを受け入れる。彼女の唇が緩んだころ、そっと彼女の中に舌を侵入する、メリッサもそれを舌で絡めて、大人のキスを味わった。

「はあっ、はあっ……」

 唇を離した後、情熱的なキスに、互いに息切れがもれる。そしてもう一度キスをあじわう、そしてそっとメリッサの胸に手を当てた。彼女は前みたいに動揺することなくその行為を受けいれてくれる。そして紅潮した彼女の白い肌が愛おしくて、大きな乳房をもてあそんだ。

「ん……! んんん……」

 時折漏らす喘ぎ声、それが僕の情欲を誘い、僕もその行為に夢中になり彼女の愛撫を楽しんだ。彼女の愛おしい反応に僕はこれより先に進もうと試みる。──僕はそっと服の上から彼女の大事な部分に優しく触れた。

「ん⁉」

 彼女は驚いた様子でびくりと体が固まった、だがその緊張をほぐすようキスで彼女をその気にさせた。最初は頑なな反応をしていた彼女だったが、次第に大事な部分の優しい愛撫を受け入れるようになった。

「あっ……! うっ……!」

 漏れる喘ぎ声に惑わされないようゆっくり優しく彼女の愛おしい部分を手で優しくもてあそぶ、徐々に漏れてくる高ぶった喘ぎ声、それに対しキスをしながら時折耳たぶを甘噛みしたり、首筋に口づけする。彼女はどんどん興奮していく、そして……!

「あっ……! あっ、あっ、あっ──ん!」

 彼女らしい静かな昂ぶりの絶頂だった、びくりと体を震わせたことで彼女を満足させたこちらにも理解できた。それが僕には嬉しかった。

「はあ……、はあ……、私は、こんなのはじめてだ……! これがイクってことなんだな……」
「……正直僕は感じてくれるか不安だったけど、良かった……」

「ううん……、とてもよかった。不器用な感じだけどそれが私には良かった……ありがとう、佑月……!」

 そう言って絶頂期感が少しずつ引いてきて、少し恥じらい始めた。それが可愛らしくて僕はそっと頭を撫でた、彼女は僕の気づかいに十分にこたえるかのように、気分がさらに燃え上がりこんなことまで言い始めた。

「佑月……! 私もお前に……つくしてあげたい、だから、その……!」

 それに対し僕は横に首を振った。

「しなくていいよ……! 大丈夫、僕の君の思う気持ちは変わらないから」
「でも……!」

「……正直言うとね、君を単なる性欲の相手として見たくないんだ、もちろん君は魅力てきだ、でもそれがかえって僕の愛情をゆがめてしまわないかと怖いんだ、だからね、そういうことは結婚してからにしよう、僕たちの時間はまだ十分にあるよう、僕が戦って見せるから……!」

「佑月……! おまえ……」

 そう言って彼女は少しうつむいた後、決心したかのように強い口調で言った。

「佑月! 私たち、この世界で結婚式を挙げよう!」
「えっ……⁉」

「私は確かな絆が欲しいし、佑月にだって、尽くしてあげたい、だから、本当の夫婦になろう、完全にはなれないけど、でも私はお前の妻になりたいんだ!」

「メリッサ……!」

 そして少し逡巡(しゅんじゅん)があった後、僕は、

「わかった、そうしよう!」
「佑月!」

 そうしてお互い抱きしめ合いキスをした。僕たちはもう確かな絆で結ばれている、だが、形式的なものも必要だ。そう僕たちは約束して心安らかに眠りに入った。

 次の日メリッサはハイテンションだった、悩みが解けて、元気いっぱいで活力にあふれている。ナオコはそれを不思議そうにした。

「ママー、なんかあったの?」
「ふふ……近い将来わかるさ、お前も元気に過ごして勉強頑張るんだぞ!」
「うん!」

 僕たちの仲睦まじさに安らぎの時間を十二分に味わった。

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