純愛異世界ファンタジー小説 終末のヴァルキュリア 第百四十八話 闘技大会作戦会議

2021年8月20日

 みんなのお祭り気分が冷めた頃合いを考えて、三日後、今後の方針を真剣に話し合うことにした。これから始まる、闘技大会への作戦と計画、その準備を整えなければならない。僕たちは客室に皆が集まったのを確認すると、静かに僕は語り始めた。

「みんな聞いているだろうか、今から僕たちがどうやって闘技大会で優勝するか話し合おう」

 その言葉に頷くものもいればまた苦い顔を浮かべるものもいた、シェリーだ。

「まあ闘技大会に出るのはいいが、本当にこのメンバーで戦うつもりかい? 流石に戦闘員が少ないだろうし、メンバーを再考したほうが良いんじゃないの」

 当然浮かび上がってくる問題だ、僕は静かに彼女に告げた。

「メンバーはこのままでいく、それに僕には作戦がある」
「まあ、作戦ですか! どんな策略があるのでしょう、楽しみですわ!」
「ちょっと待った!」

 ララァが反応したことにエイミアが会議を静止した。

「何でララァ、あんたがここにいるの、あんたは部外者のはずでしょう」
「まあ、今更部外者だなんてひどいですわ、私たち熱い情熱と肉体でつながっている仲ではありませんの、それをいきなり……」

「ああ、もうめんどくさいからストップ! ララァ、あんたを私信用してないから、創造神が何を考えてるかわかんないし、私たちの計画を知って他の奴らに利益になるよう働きかける可能性があるじゃない」

「心配ご無用でございます、わたくしは創造神以外に、味方するつもりはございませんし、あなた方にわざわざ不利益なことをいたしませんわ、だって神はあなた方の味方ですもの」

「いけしゃあしゃあとよく言うわね、いい! 創造神は……」
「エイミアお姉ちゃん別にいいんじゃない」

 彼女らの間に割って入ったのは珍しくナオコだった。

「ナオコちゃんにはまだ早いから大人しくしていようね」

「エイミアお姉ちゃん、神様がそんなに頭が良くて、いろんなことを企んでいるなら、私たちを邪魔しようと思ってるとすれば、わざわざほかの人たちに利益になるようなことしないんじゃないの。そもそも、そのつもりならこの戦争をやらせないんじゃない、自分に都合のいいひとを見繕って従わせればいいし」

 確かにナオコの言う通りだ、神が本気で僕たちをハメる気なら回りくどくララァを使う必要がないし、神の力で従わせて自分の見込みのあるやつだけで、ほかのエインヘリャルを始末すればいい。しかしそのつもりならば何のためのルールかわからない。だから、教会団ですら、日向さんに手痛くやられるくらいだ。疑っていても仕方がない事柄だ。メリッサも頷く。

「そうだな、ナオコの言う通りだ、創造神が何を考えているかはわからないが、私がルールを聞いたとき、あくまで、優れた人間が新しい神へとなるという計画だと印象を受けた。わざわざ私たちの邪魔をするメリットがない」

「流石はナオコ様、メリッサ様。ご主人様の家族とだけあって優れた方々ですわ、わたくし感服いたしました」

 ララァの言葉にナオコは照れた様子で「へへっ、私褒められちゃった」という。教育がいいんだなこの娘の利発さは。

「わかったわよ……二人がそれでいいなら従うけど、もっと創造神のことを警戒したほうが良いわよ、あいつホントずるがしこいから」

「まあ、昔のことでエイミアが創造神を警戒するのはわかるが、とりあえず今回はララァの事は置いておこう」

 と僕が言うと皆が頷いた。そしてこれからの作戦を話し始めた。

「僕たちの中で、直接戦闘能力があるものは少ない、エインヘリャルはヴァルキュリアの力によって生み出された武器でしか倒せない。そこでだ、アデル、みんなのために銃を作ってくれないか?」

「ああっ? マジで言ってんの、あんなん使えるわけないじゃん、俺たち素人だぜ」

「その言い分はもっともだが、銃は訓練することで短期間でも取りあえず扱える程度には、技術は身につく。別に弾を当てなくていいんだ。僕がMP7A1でやっているように規則的に弾をばらまいて相手の行動を制限すればいい、これを制圧射撃というが、人数が多ければ多いほどその効力が増す。こうすることによって戦力になるんだ君たちも。

 そこで足が止まった瞬間、僕とシェリーがとどめを刺す、これが基本方針だ。万が一的に弾が当たればラッキーだし、そう言う意味で銃は最適性の武器だ」

「なるほどな、確かに、これでレイラ、ブライアン、アデルも戦力になる。銃は何を使う気だ?」

 メリッサの言葉に僕は話を掘り下げていく。

「AKMを使う。テロリストが愛用するほど、使い勝手がいいAK-47の改良版で、丈夫で少ない訓練で弾が当たりやすく、威力も高い。彼らにはもってこいだ」

「AKMか妥当だな……」

 メリッサと僕のやり取りでみんなが期待感を持ったのか非常に皆の顔が明るくなった。

「へえそれなら俺でも戦えるってわけか、いいねえ」
「僕も戦力になれるように頑張ります」

 アデルとブライアンの言葉に続いて、レイラも、

「私に何ができるかわかりませんが頑張ります!」

 と言う、それに加えてシェリーが熱っぽくねだり始めた。

「なあ、なあ、その銃ってやつを私にも教えてくれよ、剣だけじゃ遠距離相手じゃあどうしようもないんだよ、私にも使い方教えてくれよ」

「もちろんそのつもりだ、一応ヴァルキュリアのみんなも銃の訓練をしてもらう、必要はないと思うが、ヴァルキュリア同士の戦いも考えられる。使えるに越したことはない」

 ヴァルキュリアたちも頷いた。これはチーム戦だ、総合力がモノを言う。

「後それに加えて、闘技場という限られた空間で、能力が発揮できるようフォーメーションの練習もする、これについてはメリッサ、君に任せる。君は戦闘知識が豊富だし、優秀だ。教官にもってこいだ」

「ふっ、まかせろ。やっと私の活躍場が来たようだな。こっちの世界に来て能力が発揮できないのはストレスがたまったぞ。みんなビシバシ鍛えてやるからそのつもりでいとけよ」

 皆が声を上げる。よしこれで、この闘技大会に臨む下準備の始まりだ。これから忙しくなる。僕は新たなる戦いに胸が膨らんだ。

「皆様、がんばってくださいね、わたくし、ご主人様たちを応援してますわ!」

 とララァが言ったことで、そういえばいたことに気づいた。別に特段僕たちに彼女が何かをするつもりがあるとは思えないが、一応エイミアの言う通り警戒だけはしておこう。この娘はかなり頭が切れる、何をしでかすかわからない。

 こうして僕たちはこの町を出て闘技大会の場、聖都マハロブへと足を進めるのであった。

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