小説,終末のヴァルキュリア

「ヴィオネス様! 武器をお換えください。地上戦では不利です!」
「そうか、あれがあったな」

 どんどんヴィオネス達の地面が盛り上がっていく。何事かと銃を構えた。バチリと電気が弾ける音を上げ雷光が迫ってくる。僕は電流 ...

小説,終末のヴァルキュリア

 そうだ、あの女の子が危ない! 思わず僕は駆け出した。足を大きく踏み出し、膝を高く上げる。SG552を両手で持ちながら、肩で息をした。──間に合ってくれ。

「メリッサ、君の方が足が速い。先回りを頼むぞ」
「わかった ...

小説,終末のヴァルキュリア

「佑月! 一気に潰すぞ」
「それは得策ではないんじゃないかな。相手の能力自体が非常に高い、能力を生かして守りに入られると厄介だ。あの性格だとすぐにやってくるだろう、それを迎撃したほうが効率がいい」

「何故消極的にな ...

小説,終末のヴァルキュリア

 蒼い空に顔を向けると鳶(とんび)に似た鳥が羽ばたき鳴いた。眩しい日差しに金髪を照らし十代後半だろう、長い髪の毛を後ろにくくった少年が大きな家の屋根に上っていた。顔は陰になって見えないが、隣には鎧をまとった女性がいた、間違いないエイン ...

小説,終末のヴァルキュリア

「あきれたものだ。連れて帰ってくるとはな」

 メリッサは眉をひそめて、じっとりとした湿っぽい目でこちらを見る。僕が日向さん似の女の子を連れて宿へと帰った時、そろりと部屋に入った途端、浴びせられた最初の小言がこれだ。 ...

小説,終末のヴァルキュリア

 夕食はメリッサが作ってくれた。緑、橙、赤、紫、色とりどりの野菜の入っており、肉汁たっぷりでこってりとした角肉が浮いている、見るからに美味しそうなスープだ。

 この時代の硬いパンはもう慣れた、これを我慢すれば僕にとって最高 ...

小説,終末のヴァルキュリア

「おい、やめろ!」

 僕は男の店の主人の腕をつかみ、幼女との間に入って暴行を止めた。衝動的な感情に駆られて体は理性ではなく情で動いていた。

「なんだあ、てめえ。外人か、すっこん出ろ!」
 男の店の主人に ...

小説,終末のヴァルキュリア

「風が気持ちいいー」

 柔らかな銀色の髪の毛を風になびかせながら、メリッサは僕のとなりで馬車の揺らぎに身を任せている。僕はそれを眩しそうに見つめていた、彼女だけは失ってはならない、メリッサは僕のすべてだ。

 実 ...

小説,終末のヴァルキュリア

僕は砂漠の薔薇に恋い焦がれた

灼熱の大地の中、香り立つ甘い花

誰れかがいるのか、誰れかがいないのか

すべては砂の粒、このコンクリートでさえも

世界を潤す雨の粒

紅い花びらを艶 ...

小説,終末のヴァルキュリア

「え………………? うそ……。うそ……だよね?」
 日向さんは言葉を詰まらせ、身を強張らせた。

「嘘じゃない私と佑月は付き合っているんだ」
 メリッサが畳みかけたため、僕はいたたまれなくて目をつぶったのであ ...