小説,終末のヴァルキュリア

「おい、やめろ!」

 僕は男の店の主人の腕をつかみ、幼女との間に入って暴行を止めた。衝動的な感情に駆られて体は理性ではなく情で動いていた。

「なんだあ、てめえ。外人か、すっこん出ろ!」
 男の店の主人に ...

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「え………………? うそ……。うそ……だよね?」
 日向さんは言葉を詰まらせ、身を強張らせた。

「嘘じゃない私と佑月は付き合っているんだ」
 メリッサが畳みかけたため、僕はいたたまれなくて目をつぶったのであ ...

小説,終末のヴァルキュリア

 スナイパーのいると思われる山に真っ正面から登らずにのとなりの山に登った。もし、真正面から行くと相手に気づかれるかもしれない、敵は油断のならぬ相手、もしかすると何重にも罠を張り巡らせているかもしれない。なら、横から奇襲をかけるのが常道 ...

小説,終末のヴァルキュリア

「どういうことだ? 絶望的だと言っていたじゃないか、何か必勝の策が思いついたのか?」

 メリッサの問いに軽く明朗な口調で答える。

「必勝の策なんてないよ。ただ作戦は思いついた。僕は自信がある」
「佑月( ...

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「ねえ~ユヅ。ドルトの町についたよ、これで、やっと、宿に寝られるね!」

 一週間ほど移動で歩いたがメリッサはずっとこの調子だった。
気持ちが沸き立つのは理解出来るが、このハイテンションに付き合うのは本当に疲れる。ど ...

小説,終末のヴァルキュリア

 嵐が去って僕たちの次の目標地ベリカに向かって、鬱蒼(うっそう)とした森の中を歩いていると、漫然と木々を見つめている、白くて可憐な柊の花のようなものが咲いていた。じっとみつめていると、メリッサがこちらの様子を覗(うかが)って、「あれは ...

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「何故……ぼくが……こんなことに。頭がクラクラして……目が見えない……解っているかミリア、これは自殺だぞ……」 神への恨み言のようにぽつぽつとセルモアはつぶやく。

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「ははっ、今度は命乞いかい?」 僕はにやりと笑う。誰が命乞いなどするか、演技に決まっているだろ。まずはサーベルを置き、セルモアの警戒心を解かせる。

小説,終末のヴァルキュリア

 セルモアが鎖のついたおもりを支えている、木のつっかえ棒を外すとさっき来た扉が閉まる。「この城壁は特殊でね。ここに来た人間を閉じ込めるために、罠を張っているんだ。こちらの扉を閉めると、跳ね橋の向こう側から扉を開ける仕掛けを動かさないと ...

終末のヴァルキュリア

 メリッサは庭園の大きな石を投げ、罠が仕掛けてないか丁寧に調べていた。「よし、罠は仕掛けてないぞ」 僕は噴水の囲いに座っていた。言葉が