小説,終末のヴァルキュリア

「あきれたものだ。連れて帰ってくるとはな」

 メリッサは眉をひそめて、じっとりとした湿っぽい目でこちらを見る。僕が日向さん似の女の子を連れて宿へと帰った時、そろりと部屋に入った途端、浴びせられた最初の小言がこれだ。 ...

小説,終末のヴァルキュリア

 夕食はメリッサが作ってくれた。緑、橙、赤、紫、色とりどりの野菜の入っており、肉汁たっぷりでこってりとした角肉が浮いている、見るからに美味しそうなスープだ。

 この時代の硬いパンはもう慣れた、これを我慢すれば僕にとって最高 ...

小説,終末のヴァルキュリア

「おい、やめろ!」

 僕は男の店の主人の腕をつかみ、幼女との間に入って暴行を止めた。衝動的な感情に駆られて体は理性ではなく情で動いていた。

「なんだあ、てめえ。外人か、すっこん出ろ!」
 男の店の主人に ...

小説,終末のヴァルキュリア

「風が気持ちいいー」

 柔らかな銀色の髪の毛を風になびかせながら、メリッサは僕のとなりで馬車の揺らぎに身を任せている。僕はそれを眩しそうに見つめていた、彼女だけは失ってはならない、メリッサは僕のすべてだ。

 実 ...

小説,終末のヴァルキュリア

僕は砂漠の薔薇に恋い焦がれた

灼熱の大地の中、香り立つ甘い花

誰れかがいるのか、誰れかがいないのか

すべては砂の粒、このコンクリートでさえも

世界を潤す雨の粒

紅い花びらを艶 ...

小説,終末のヴァルキュリア

「え………………? うそ……。うそ……だよね?」
 日向さんは言葉を詰まらせ、身を強張らせた。

「嘘じゃない私と佑月は付き合っているんだ」
 メリッサが畳みかけたため、僕はいたたまれなくて目をつぶったのであ ...

イラスト

久しぶりのイラストの更新です。油絵風にしようと頑張って描き始めるとなんと3か月かかりました。細かく線を取らずに塗っていったため、時間がかなり過ぎてしまいました。テーマは自然賛歌です、日本は多くの山々と川と様々な花に彩られています。道端 ...

小説,終末のヴァルキュリア

「うっす、今日も佑月くんはご機嫌だね、カノジョでもできた?」
「僕はいつも通りだよ」
「知ってる」

 日向さんは朗らかに笑い、しかも熱っぽい視線を出しているように思えてならない。あれからというものの幾月も流 ...

小説,終末のヴァルキュリア

 夏もまっ盛り、熱に包まれる県民体育場、多くの高校生の白い制服が観客席で目に付く。その中僕は白シャツを汗でにじませながら、今日のヒロインの出番を待っていた。会場のアナウンスで予選が行われていると知ったので、彼女も出るはずだ。

小説,終末のヴァルキュリア

「池田君、きみ今日も宿題やってこなかったでしょ」

 突然に教室で女子に話しかけられたので、僕は思わずのけぞった。セーラーの夏服に教室へと光が差し込んで、白くきらめいていた。

 艶やかで短く切った黒髪で、目鼻がく ...