小説,終末のヴァルキュリア

 灼熱の街に咲く赤い花。それは黒い闇の世界にたたずみ、 泣きながら笑う一輪の花。花びらが舞い、狂気の世界にさっとまき散らされるように声が響き渡る、無くした夢に痛みを感じながら。

「全部、全部壊れろ!」

 リリィ ...

小説,終末のヴァルキュリア

儚(はかな)き夢の花、歪な花弁は甘い香りを残して散り、消え去る。水なき雨が花を求めた蜂(はち)を痛めつけていた。

 ララァが消え、存在は陽炎(かげろう)のごとき、幻であったか。ふと、地面を見るとララァが街で盗んでいたペンダ ...

小説,終末のヴァルキュリア

 時間は帰ることの出来ない一本道。およそ誰もが書き換えたい過去がある。そして、戻れないからこそ未来へと希望を抱く。最後に老いていき、振り返って過去がどうであったか、良きことも悪しきこともすべて老いた自分につながる大切な記憶で、死を迎え ...

小説,終末のヴァルキュリア

 漆黒の蜃気楼、人々の生命を絡めとるように渦巻く暗澹(あんたん)たる世界で空を死の匂いで埋め尽くす。暗く沈む死の太陽の黒の球体。靄(もや)がかかった暗黒の体に赤い線がひかれて血で描いた様で、また、傷口を広げるように歪んだ口と目が現れる ...

小説,終末のヴァルキュリア

 白銀の光りが瞼(まぶた)へと差し込み、まどろみから解き放たれる。透き通った艶やかな髪をなびかせたメリッサが笑顔で僕の顔を覗き込んでいた。清浄なる女神の眼差しで、僕の心が聖なる国へと旅立っていった、そう、空を目指す海鳥のように。

小説,終末のヴァルキュリア

 僕は街道を駆けめぐった。巨大飛行艇アルキメデキスから距離と角度を測り、正確な弾道が取れるポイントを探す。何せ相手は空高く飛んでいる、なら重力を考慮して軌道を測定しなければならない。丁寧に銃の照準で調べていると、側面を取るに最適な2階 ...

小説,終末のヴァルキュリア

「ヴィオネス様! 武器をお換えください。地上戦では不利です!」
「そうか、あれがあったな」

 どんどんヴィオネス達の地面が盛り上がっていく。何事かと銃を構えた。バチリと電気が弾ける音を上げ雷光が迫ってくる。僕は電流 ...

小説,終末のヴァルキュリア

 そうだ、あの女の子が危ない! 思わず僕は駆け出した。足を大きく踏み出し、膝を高く上げる。SG552を両手で持ちながら、肩で息をした。──間に合ってくれ。

「メリッサ、君の方が足が速い。先回りを頼むぞ」
「わかった ...

小説,終末のヴァルキュリア

「佑月! 一気に潰すぞ」
「それは得策ではないんじゃないかな。相手の能力自体が非常に高い、能力を生かして守りに入られると厄介だ。あの性格だとすぐにやってくるだろう、それを迎撃したほうが効率がいい」

「何故消極的にな ...

小説,終末のヴァルキュリア

 山から僕の体がずるずると滑り落ちていく、下手に落下運動に抵抗して勢いが削がれてしまったようだ。こんなところをスナイプされるとまずい、体に岩や木やらがぶつかり、僕の肉体を痛めつけた。

 強打され僕の体はボロボロになっていく ...