小説,終末のヴァルキュリア

「ここかい? メリッサ」

 僕とメリッサは街の郊外の小さな家の前にやって来ていた、どこも不自然な点は見当たらない、人の住んでいることがわかるように生活感があり、薪や生活用品が樽や木箱の中に入っていた。

「ああ、 ...

小説,終末のヴァルキュリア

 月の光に導かれて一匹の蝶がひらりと羽ばたく。鬱蒼(うっそう)と茂る木々、光は木を境に別(わか)ち暗闇の中、虫たちの祭りが始まる。一筋の蜘蛛の糸が月に濡れて輝いている。

 その中一羽の蝶が森へと迷い込む、死に誘(いざな)う ...